対話型鑑賞はビジネスに必要な8つの要素を養う☆今こそアートの力を活用しよう

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人材活躍アートセラピストの阪本眞基子です。

人事の皆様は、新年度の研修などでお忙しい時期をお過ごしのことと思います。

今日は、そういう皆様に気分転換を兼ねて対話型鑑賞をご紹介します。

対話型鑑賞 Visual Thinking Strategies

対話型鑑賞とは、

1980年代半ばにアメリカのニューヨーク近代美術館(MoMA)で開発されたアートの鑑賞法です。

英語ではVTS(Visual Thinking Strategies)と呼ばれ、当初は子供向けの鑑賞法としてアナウンスされていましたが、最近では、ビジネスシーンでの新しい学びとしての対話型鑑賞が広がりを見せています。

アート鑑賞における対話型鑑賞の特徴は、

美術の知識をもとにするのではなく、その場で抱いた感想や想像をベースに対話を行うところにあります。

つまり、作品の背景や技法、作者の生涯といった情報を抜きに、作品に向き合うのです。

各参加者は絵を見て感じた思いをグループで共有し、その対話を通じて観賞を深めていきます。
対話型鑑賞ではこのようなコミュニケーションによって、想像力や考える力、伝える力、話を聞く力を伸ばすことができるといわれています。

参照:対話型鑑賞はアートだけじゃない!?広がる新しい対話の形と企業での活用 | オンラインチームビルディングならアクティ場Online (actiba.net)

5月8日のオンライン勉強会での作品紹介

私は、美術館での対話型鑑賞ファシリテーターチームのメンバーを中心とした対話型鑑賞の勉強会を毎月実施しています。

ファシリテーターが選んだ作品をみんなで鑑賞しながら見たこと、感じたことなどを言葉にしていきます。

では、実際に作品を一緒に見てみましょう。
この作品は何に見えますか。

 

  • 赤いので太陽が沈むところ。夕陽に染まった木や町の景色が見える
  • 赤い太陽の周りを白い星が一直線になってまわっている
  • パックマンが夕陽にあたっている
  • 水疱があるので水の中でビーナスが誕生する瞬間
  • 上から見た蓮の葉に向かってアメンボがすいすいと泳いでいる
  • 段ボールを重ねているのか、削ったのか
  • 左上から光があたっていて、黒い影と白い影が見える

 

色から作品を見た人

形から作品をみた人

素材から作品をみた人

それぞれが自分軸で作品を見ているので、太陽や夕焼け、宇宙、という空間をイメージした人に対して、真逆と思える水中だと感じた人もいます。

また、視点の位置も異なります。

目の前に広がる空間を水平に見てイメージした人がいれば、上からのぞき込んで見たものをイメージした人もいます。

そしてこれは描いたのか、造ったのかも気になるところです。

さて、みなさんはどのように作品をご覧いただいたでしょうか。

同じ作品を見て、こんなにも感じ方が違うことに気づいていただいたと思います。

他者の意見から見えてくること

ひとりでじっくり鑑賞して気づけることもたくさんあると思いますが、同じ作品を他の人が見て感じたことを聞くことで、

「そういえば確かに」も「え~、気がつかなかった」「私にはそうは見えないんだけど、どうしてだろう」というのがたくさん出てきます。

他の人の意見を聞くことで、再度、作品を見直して、新たに気づいたことや感じたことがでてきます。

見えなかったことが見えてきただけではなく、見えていたこと(もの)が変わって見えることもあります。

だからアートは面白い。

これを優秀な講師の先生が理論的に説明するよりも、皆さん自身が何人かと一緒に作品を前にして、体感することの方が私は大事だと思っています。

対話型鑑賞でコミュニケーションに重要な8つの力を養う

対話型鑑賞では、自ら発見し、問いを見つけ、自らの考えや思いを伝えると同時に相手の考えや思いを受け止めることを繰り返すために、コミュニケーションに重要な8つの力が養われます。

  1. ・・・ 「単純な観察」から「より多くの詳細かつ緻密な観察」への変化
  2. ・・・観察から、何らかの解釈を導けるようになる
  3. ・・・観察に基づいて、自らの推論を裏付けることができるようになる
  4.  ・・・複数の可能性を検討できるようになる
  5. ・・・すでに言及した事柄に立ち戻り、さらなる詳細を付け加えていける
  6. ・・・必要に応じて自分の意見に訂正を加えることができるようになる
  7. ・・・自分の感覚を言葉にして説明できるようになる
  8. ・・・他者の言葉を意識を持って聴き、考えや思いを汲み取ろうとするようになる

参照:対話型鑑賞とは | アート対話カフェ (art-dialogue-cafe.com)

これらはビジネスでも重要な要素となります。

全ては観察することから始まり、15分くらいの短い時間でも皆さんはこれらの要素を繰り返し使うことで、新たな発見に胸をときめかせ、総合的な判断で自分なりの答えを見つけています。

誰かに教えられるわけでは無く、自らが導き出す答えです。

そして、それは人の数だけ答えがあることも教えてくれます。

今こそアートの力を活用しよう

VUCAの時代と言われる今を生きる私たちは、大きく変わる社会の構造やテクノロジーの急速な進歩の中で、今までの経験や常識が通用しない場面や問題と直面することが多くなりました。

答えがでない問題に直面した時、対話型鑑賞のように何人かで作品(絵画に限らず身の回りにあるものでOK)を見ながら意見を出し合ってみてはいかがでしょうか。

正解はひとつではないことを忘れないでください。

そして、どうぞ他の人の意見を否定せずにしっかり聞いてみてください。
異なる意見を楽しんで聞くことから新たな発見が生まれてきます。

なかなか答えのみつからない時代だからこそ考え抜く力も必要です。
アートは皆さんの知的体力を強化し、自由な発想へと導いてくれます。

機会があればぜひ対話型鑑賞を楽しんでみてください。

今こそアートの力を活用しましょう。

 

 

 

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