人材活躍アートセラピストの阪本眞基子です。
今回は、女性管理職育成に必要な3つの本気のうち「本人の本気」についてお伝えしたいと思います。

「女性活躍推進法と現実のギャップ」

人事担当の皆さんは、人材の「採用」「教育・研修」「評価」を通して、企業の活性化と取り組む中で、多くの社員の心の問題にも接していらっしゃると思います。

先の「会社の本気」の中でお伝えした通り、管理職になることを目標として頑張っている女性社員はアンケート結果では少ないことがわかります。
それでも2022年4月1日に女性活躍推進法が改正され、会社としては女性が活躍できるように取り組む必要があります。

さて、管理職になりたくない多くの女性と女性活躍推進法によって女性管理職を増やさなくてはならない、このギャップをどうやって埋めていきましょうか。
※参照:女性活躍推進法とは? 公布された背景や企業の義務、成功事例を解説 | 記事・トピックス一覧 | 法人のお客さま | PERSOL(パーソル)グループ (persol-group.co.jp)

このギャップを埋めるために会社と上司の本気が必要だとお伝えしました。
でも、本人が覚悟を決めて、本気で取り組むことが必要です。

管理職になりたくなかった私が、管理職として20年近く働いた経験をお話したいと思います。

「管理職への内示を受けて」

私が支店長の内示を受けた時のことです。
・新しい支店を作る
・社内では珍しいアカウント専門支店
・あなたが支店長。メンバーは。。。。

それに対して、正直に、「自信がないので断りたい」と申し出たところ、「受けるか、会社を辞めるか二者択一」というのが上司の反応でした。

当時の私は、営業としてはそれなりに結果をだしていたので、営業のスペシャリストになるのが夢でした。
マネジメントには全く興味がなく、クライアントの問題解決への提案に力を入れていました。

支店長として担当するクライアントは、大企業で競争も厳しく、内資の大手企業が社をあげて取り組んでいるような企業です。
そこに新米支店長、しかも女性(当時、女性の管理職は珍しい時代)で、内資の組織的な営業活動に太刀打ちできるのか、全く自信なし。

皆さんならどうしますか。

「支店長になる選択」

悩みますが、選択肢は二つのうちひとつ。
しかも内示を受けるのが当たり前で、断るなら今しかない。
その場合、会社は辞めることに。。。(そういう規定があるわけではないのでご安心ください)

ということで、私は、支店長になることを決めました。
引き受けた以上は、メンバーに迷惑をかけない、会社にも迷惑をかけない、上司には迷惑をかける、きっと!という思いで支店開設の準備を進めます。

・メンバーの特性の把握
・クライアント情報収集
・クライアント事業計画収集
・競合他社情報収集
・事業計画立案
・支店体制構築
・目標設定と個人目標への落とし込み
・他支店との連携
・他エリア関係支店との連携
・上司との連携

たぶん、最初に考えたのはこのあたりのことです。
支店開設前に任意で上司にレポートを出して、方向性を確認したのを覚えています。

「支店長としての力量」

私は私の力量不足でメンバーに迷惑をかけるのがとても嫌でした。
優秀な支店長のもとであれば安心して活躍できるのに、頼りない支店長にメンバーが振り回されて疲弊してやる気まで削いでしまう、そんなことにならないようにとかなり肩に力が入っていたと思います。

でも、経験のない出来事が山ほど起きます。

【一番困ったこと】
クレーム対応に行って、「女の支店長か!」と言われることでした。
女性の支店長が珍しい時代だったので仕方がないのかもしれませんが、初対面、クレーム処理で、私の力量が試される場面です。
いきなりそういうこと言う!?って密かに思うのですが、

「はい、そうなんです。私が。。。」
そつなくこなせるように身構えるし、誠意をもって対処しようと思いながらも肩に力が入ります。

説明も対応も未熟でお叱りを受けることもありましたが、その経験が支店長としての成長を促してくれたと感謝しています。

【家族の問題】
支店長2年目には父が病気で入院し、私は仕事を辞めようかと悩んだ時期がありました。

週末、一日だけですが、母と交代して父の看護に行くと、父は自分のからだのことよりも私の仕事の方を気にします。
父が必ず言うのが、「Yさんに感謝しなさい。支店長として働くチャンスをもらえたことに感謝して、最善を尽くしなさい。自分(父)のことは気にしなくて大丈夫だから自分のからだを大切にしなさい。」

父は半年の入院生活で亡くなりましたが、両親は子どもに心配をかけないように気丈に頑張っていたと思います。

【支店の成長の問題】
支店長3年目には配下メンバーが開設当初の2倍になり、いろいろな個性が炸裂します。
新しいメンバーは業界経験のない中途採用が多く、一筋縄ではいかず、カルチャーの違いがはっきりと出てくるようになります。
人数が増えると目が行き届かず、いろいろと社内の問題も増えてきます。

ほっとできる時間を

問題はいつでも飛び込んできます。
今、手一杯ですと言いたくても容赦なくやってきます。
上司や仲間やメンバーに助けてもらいながら自分も頑張らなければいけない時、立ち向かっていく勇気をくれるものがあると良いなと思います。

いつも本気ばかりだと疲れちゃいます。

音楽やスポーツ、アート鑑賞、美味しいお茶とケーキ、なんでも良いので、ちょっとだけほっとできて幸せな気分になれる時間を作ることをお薦めします。

いつも周りに気を配って、自分のことは後回しにしたり、ついつい言いたいことも我慢して、というのは自分が苦しくなるだけです。
言い方や対応の仕方には注意が必要ですが、言うべきことは言ってやるべきことをやる。
でも、やりたくない時もあるからそれはそれで受け入れる。

自分への思いやりを忘れないでください。
自分を褒めたり、ご褒美をあげたり、大切にしましょう。
それが長く元気に働ける秘訣のひとつです。

最近、良く耳にする「セルフコンパッション」
人事担当の皆さんならご存知だと思います。
どうぞ頑張る社員の心のケアをお願いします。
参照:セルフコンパッションの意味は?「自分自身を受け入れる」状態とは? | Indeed (インディード)

MORE+はがんばる社員の皆さんを応援しています。

 


研修メニュー – ビジネスにアート発想を! (moreplus-with.com)

 

 

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