人材活躍アートセラピストの阪本眞基子です。
前回、人事の責任者の皆様には、女性管理職育成に必要な会社の本気についてお伝えしました。
今回は上司の本気についてお話したいと思います。

「ジェンダーギャップ」

皆さんは、「男性脳、女性脳」という話を聞いたことがありますか。
男性と女性では脳の構造が違ってタイプがあるという話です。
結論としては人の脳には男性脳と女性脳が存在するそうです。

しかし、一般的には、男性は理論、女性は感情を大切にして、男性はゴール志向、女性はプロセス志向と言われます。

私は女性ですが、支店長としてメンバーと面談をする中で、女性社員の言う「支店長に聞いてもらっただけで気持ちがすっきりしました」が理解できませんでした。

「えっ!言っただけでは何も変わらないよ!」
「状況は変わらないけど良いの?」
「問題解決したくて話したんじゃないの?」

そうです。私は問題は解決するものだと思っているのです。
長い管理職経験で、問題の早期発見、早期解決を心がけていました。
だから「解決できるのに放置する」という選択肢が理解できないわけです。

これは、管理職を長く経験する中でついた志向のくせだと私は思っています。

最近では、「性別による差よりも個人差のほうがはるかに大きい」として、社会や教育に存在するジェンダーギャップの影響を指摘する声も上がっています。

企業の役員比率、働く人の賃金、大学の理系学部への進学率……など、いたるところにジェンダーギャップがあります。
こうした社会構造に、脳や、個人の行動・思考が影響を受けている可能性は否定できません。
と述べられています。
参照:日経xwoman「女性ならではの感性生かして」はNGワード?問題点は:日経xwoman (nikkei.com)

「問題解決よりも関係性が大事?」

当時の男性脳で働く私にとって、聞いてもらうことで良しとする女性社員の考えは理解できませんでしたが、気がついたことはあります。

問題解決をしないのではなく、問題解決をしなくても良いということです。
支店長に話したことが、ひとつの結論だということです。

「こんな些細なことを真剣に聞いてくれた。」
「こんな私の個人的な問題にも関わらず嫌な顔もせずに受けとめてくれた。」
「他にもいろいろと問題があって大変なのに、自分のために忙しい支店長が。。。」

彼女たちはこのように私に申し訳なさそうに言うのです。
私は問題を解決して、みんなが気持ちよく働けるようにするのが私の仕事=役目だと思っているので、それを彼女たちに伝えます。

決まって答えは、「これでいいんです。このことは、他の人には言わないでください。」
う~ん、私がとりあえず理解していることで安心感を得られたのだろうか。

他の人には言わないでということだからもちろん誰にも言いません。
しかし、私にとってずっと気がかりな状況が続きます。

「先輩よりも・・・」

別のケースでは、昇格の内示を出すときに、「え~、先輩たちの上司になる自信がありません。」と言われたりすると、「大丈夫。先輩たちはきっと今回の昇格を喜んでくれるから。先輩たちとあなたのキャリア目標は違うのだから、ちゃんと応援してくれるよ。」そんな話をします。

昇格が嫌なわけではないのです。
頑張ったことが認められ、評価され、それはそれでうれしいのです。
でも、今まで仕事を教えてもらっていた先輩より上の立場になるのが困りごとです。

自分の力量で先輩たちに上手く仕事の指示が出せるか。
気持ちよく応じてもらえるか。
気分を悪くするのではないか。

いろいろと気になるのです。
みんなと上手くやりたい。
今の良い関係性を保てるのかどうかが心配になります。

彼女たちはやる気がないのではなく、意識は高いのですが、事を荒だてたり争ったりするのが嫌なんです。
そして、忙しくしている支店長への配慮、遠慮も感じます。

フラットで何でも言えるチーム作りを心がけてはいたのですが、メンバーから見ると上司は上司なのです。

「上司としての最大の問題」

最大の問題は、彼女たちは、上司の反応を良く見ていることです。

女性は感情を大切にする傾向があると最初にお伝えしました。

上っ面の調子良い言葉は見抜きます。
言っても理解してもらえないと思えば、口を閉じます。
時には感情で物を言うかもしれません。

真面目で正直だからこそ、伝えたいし、理解したい。
でも、それが難しいと思った時にどうなるでしょうか。

そうです。 彼女たちが真面目に正直に上司と向き合ってくれることに対して、上司もちゃんと向き合う必要があります。

今の時代、「共感」が必要なのは女性社員だけではないと思います。

部下は上司を選べないという言葉を聞きますが、上司だって部下を選べない。
それであれば、縁あって共に働く仲間として、お互いの力を最大限に出し合って効果的に結果が出せるように考えていくしかないですね。

最大限に力を発揮するために必要な条件はいくつもありますが、上司が直接できることって何でしょうか。
部下が安心してモチベーションも生産性も高く働ける環境を作ることですよね。

「上司の覚悟」

私は管理職になった時、「孤独に慣れる」という覚悟をもちました。
それは今まで仲間として一緒に仕事をしていたメンバーへの責任の持ち方への覚悟でもありました。

でも、メンバーが何を考え、何を望んでいるのかを知る必要もあり、社員が豊かになることが会社の成長につながると信じていました。
常に最良の選択ができる力が欲しいと祈るような気持ちでいたのを覚えています。

長くなりましたが、お伝えしたいのは、上司が本気で取り組めば、多くの部下はちゃんとそれを理解して、力を発揮してくれると言うことです。

もし部下の力が発揮できないようであれば、上司としてできることを考える必要があります。
そして、上司の本気(覚悟)を支えるのが会社の本気です。

いずれにしても会社も上司も本気が必要です。

上司の心が疲れた時は、ぜひアートの力を頼ってください。
その時々の問題の根本にアートはアプローチすることが可能です。

研修メニュー – ビジネスにアート発想を! (moreplus-with.com)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。